国際協力部門

2015年度 国際協力部門 -国際協力・開発援助と国際NGO-

部門長 松本伸夫 日本は国際平和協力法やPKO(国連平和維持活動)法などを制定して、国連を中心とした平和維持活動や人道的な国際救援活動、国際的な選挙監視活動に積極的に参加してきました。世界に出かけて活躍する我が国の青年海外協力隊の活躍も目立ちます。過去に日本が世界各地で展開したPKOや女性陣たちの心温まる人道支援活動などをルポ的に取り上げ、聴いて楽しい国際協力講座を毎号提供したいと、張り切っております。
国際協力部門部門長 松本 伸夫
講師(50音順・敬称略)/ 所属/
講義内容
講 義 日
(講師変更)
景平 義文

特定非営利活動法人 AAR Japan [難民を助ける会] シリア難民支援事業担当
11/28(土)
13:30-15:00
『トルコにおけるシリア難民の現状とAAR Japanの支援活動』
ヨーロッパに逃れるシリア難民が大きな注目を集めていますが、シリア難民問題を理解するには、トルコなどの周辺国で避難生活を送る400万人の難民の状況を理解する必要があります。本講義ではトルコのシリア難民の現状とAAR Japanの支援活動について紹介します。
栗田 充治
亜細亜大学・・亜細亜大学短期大学部 学長
10/3(土)13:30-15:00、
15:15-16:45(2講座)
『災害救援ボランティア論Ⅰ、Ⅱ』
防災(減災)の基礎知識を阪神・淡路大震災を例に確認したあと、災害の現場で直面する課題についてゲーム・ワークショップを行い、多角的・多面的なものの考え方を学ぶ。
(休講)
五月女 光弘

元外務省NGO担当大使
元駐ザンビア共和国・マラウイ共和国大使
JICA青年海外協力隊訓練所教官
9/12(土)13:30-15:00、
15:15-16:45(2講座)
『国際協力はなぜ必要なのか/日本人の役割と日本の評価』
これまで日本が行ってきた国際貢献の推移と、日本への評価は? 国際機関、政府の援助機関、NGO/NPOにおける日本人の活動と評価。
なぜ日本は国際貢献をすべきなのか。それはお世話になった国際社会への恩返し。阪神淡路・東日本大震災の際の支援から見える、NGO・民間企業などの役割と評価。平和の構築・途上国支援における女性の力と大きな貢献。歴史から学ぶ「情けは人の為ならず」の教訓。(2講義連続)

関口 明子
国際日本語普及協会理事長
2016年1/16(土)
15:15-16:45
『日本の難民受け入れと責任(仮題)』
日本が難民を受け入れて30有余年がたちました。家族と一緒に難民として来日した子どもたち、日本定住後に生まれた子どもたち、そして今現在、外国にルーツをもつ子どもたちが日本に住んでいます。その子どもたちのこと、そして大人の責任について話したいと思います。(予定)
高橋 祚子
佐野ユネスコ協会常任理事
聖イグナチオ教会会員
11/25(水)
18:30-20:00
『アメリカのボランティア活動に参加して』
皆様は難民というと東南アジアの方を想像されると思います。私が10年間滞在していた米国・ニューヨークでは、東南アジアの方々のほか、アフリカ、そして、ロシアからの難民も多く入国してきました。本講座では、私が体験したニューヨークでのボランティア活動を中心に紹介し、活動を通じて苦労したことや得たものをお伝えしたいと思います。
田中 雅彦
独立行政法人JICA(国際協力機構)地球ひろば所長/広報室室長
9/ 9(水)
18:30-20:00
『JICAのボランティア事業』
今年(2015年)は、青年海外協力隊が発足して50年。これまで約100か国の国に累計で5万人のボランティアが活動してきてきた実績があり、現在も2000人近くが活動中である。本事業の目的、アプローチ、活動内容、帰国後の活躍等について、他国のボランティア等と比較しながら解説する。
谷山 博史
日本国際ボランティアセンタ-(JVC)代表理事
12/16(水)
18:30-20:00
『対テロ戦争の時代に人道支援を考える』
JVCが発足して35年、この間東西対立の冷戦時代から対テロ戦争の時代に変わりましたが、人道支援活動が常に戦争にまつわる戦略性に利用されてきたことに違いはありません。今日本が日本周辺だけでなく、遠く中東やアフリカでの戦争にも積極的かつ軍事的に関わるようになりかねない情勢にあるなか、人道支援はいかにして戦争に加担しないために中立性を確保することができるのか。またこれまで曲がりなりにも国際的に評価されてきた日本の平和主義が変質していくなか、日本の市民としてNGOとして私たちいかにして世界の問題にかかわっていけばよいのかをお話します。
中込 祥高
JHP・学校をつくる会事務局長
①8/29(土)13:30-15:00
②10/17(土)18:30-20:00
『①ネパール大震災の被災地を訪れて』
2015年4月25日に発生したネパール大震災の後、5月4~8日までネパールに入り、連携するローカルNGO『ラルパテネパール』の活動に同行した。 この期間に撮影した写真を中心に被災地の状況や活動内容を報告しながら、その後継続するJHPとしての取り組みを紹介したい。
『②HP・学校をつくる会の活動について』
講義前半は、「開発途上国の子どもたちが学校に通えるようになると何が変わる?」、「皆さんがカレッジに通うと何が変わる?」などをテーマにグループディスカッションを行いたい。後半は、当カレッジを主催するJHP・学校をつくる会の活動全般について講義し、具体的な参加の方法についても紹介したい。
藤原 紀香
特定非営利活動法人Smile Please☆世界子ども基金 発起人
女優
8/22(土)
13:30-15:00
『世界の子どもたちが夢を実現する未来にむけて』
2002年に紛争の爪痕の残るアフガニスタンへの訪問をスタートに、世界の子どもたちが心豊かに笑顔で生活し、夢を実現する未来の創造に寄与することができればと願い、「Smile Please☆世界こども基金」を立ち上げました。また、「JHP・藤原紀香カンボジア子ども教育基金」を設立し、これまで同基金からカンボジアに3棟の紀香学校を建設しています。本講義では、世界の現状、子どもたちの現状を伝え、一緒に考えていくきっかけになればと願っています。
松本 伸夫
JHP・学校をつくる会理事
元東海大学国際学科教授
① 9/30(水)18:30-20:00
②10/18(日)8:50-10:20
③10/31(土)13:30-15:00
④1/9(土) 13:30-15:00
⑤1/31(日)8:50-10:20
⑥2/27(土)13:30-15:00
全6回講義
『① 丸腰ボランティアの中村哲医師』
パキスタン、アフガニスタンの山岳紛争地帯で医療活動を続けながら、安全な水の補給のため丸腰のボランティア活動を続けているペシャワール会代表の中村哲医師の活動を紹介する。 (2014.10.29訂正)
『② カンボジアPKOと国連ボランティア』
日本初の海外派遣の自衛隊によるカンボジアPKO活動(1992~93)では、総選挙準備中の国連ボランティア(UNV)中田厚仁さんが殺害された。さらに文民警察官としてタイ国境近くで活動中の岡山県警出身の高田晴行警部補(後に警視)もポル・ポト部隊の待ち伏せ攻撃を受けて即死した。現在も世界の紛争地域で展開されている日本の準軍事的なPKOを検証する。
『③ 「人間の安全保障」と緒方貞子さん』
安全保障という概念は、国連安保理に象徴されるように、領土保全、国際平和、核の傘など国家とのつながりが強かった。21世紀に入って飢餓、失業、難民、人権侵害への関心が高まり、[国家安全保障]とともに新しい「人間の安全保障」という考えが日本を中心に確立、10年間国連難民高等弁務官を務めた緒方貞子前JICA理事長らがPRに尽力している。この新しい国際協力概念を緒方さんの活動などから学ぶ。
『④ 国際協力の新しい風(風の学校) ~現地中心の自立・自活協力』
農業指導の専門家としてアフガニスタンやバングラデシュなどに長期滞在、千葉県に(風の学校)を開設して国際協力の人材を育成、1991年に亡くなった中田正一氏の現場中心の民間協力について学ぶ。 (2014.10.29訂正)
『⑤「持続可能な発展」を目指して』
国連賢人会議は1987年『地球の未来を守るために』と題した報告書の中で「環境と開発を分離することは不可能」との理念に立脚してこの概念を初めて提唱し、環境保全と経済開発の相互補完性を訴えた。本講義では、世界の貧しい人々にとって不可欠になっているこの提唱について学習する。
『⑥ 正義の人道介入はあるのか』
人道に反する罪を裁く国際刑事裁判所(ICC)が2002年発足して、旧ユーゴ戦犯などが裁かれ、カンボジアの国際法廷でも旧ポル・ポト派裁判が続行中。丸腰の人道的救援活動に対する武力攻撃から市民を守るための軍事行動は是か非か、米国流正義の戦い(聖戦)はありえるのか。人権侵害ともいえる迫害に対してはどうか。最上敏樹著『人道的介入』などを参考に多面的に考察する。
目加田 説子
JCBL地雷廃絶日本キャンペーン理事
中央大学総合政策学部教授
2016年1/27(水)
18:30-20:00
『市民が国際問題にどう関わるのか考える(仮題)
対人地雷の犠牲者をなくし、すでに犠牲となってしまった人たちを救うために市民が中心となってはじまった地雷禁止キャンペーンと対人地雷全面禁止条約。また同じように作られたクラスター爆弾禁止条約とその推進活動を紹介しながら、軍縮に対し私たちは無力ではない、ということをお伝えしたいと思います。(予定)
吉岡 健治
JHP・学校をつくる会理事
JEN共同代表理事
2016年1/ 30(土)
13:30-15:00
「ネパールの政治と教育‐JHPの学校建設支援」
マオイストの台頭があったもののカンボジアとは異なった形で近代国家建設を目指すネパールの紹介と教育のかかえる問題、そして、2015年4月25日に発生したネパール大震災後のJHPの学校建設支援の状況について