第10期国際ボランティア・カレッジ現地研修を実施しました
《日程》
・2016年3月9日(水)~3月13日(日):3泊5日コース
・2016年3月9日(水)~3月15日(火):5泊7日コース
《参加者》
・千葉保彦・福西浩樹・守屋友一朗(*)・酒井克浩・樋口心・三島澄子
・田崎美里・佐久間京子(*)・小倉雪枝・吉野朱美(*)・窪田通代
・岩本宗孝(事務局・理事)・上田浩之(事務局)
(*)は3泊5日コース参加者
以下、研修の様子を報告します。
第1日目:2016年3月9日 (水)
<行程>
・ 7:30 成田空港第1ターミナル北ウィングCゲート 集合
・ 9:30 VN301機にてホーチミンへ
・16:15 VN920機にてプノンペンへ
・17:00 プノンペン着。前日にプノンペン入りした岩本理事と合流
・19:00 夕食(レストラン:Romdeng)
・21:00 ホテル・チェックイン(Pacific Hotel泊)
<報告事項>
7:30成田空港の集合時間15分前に事務局の携帯に「すみません。40分ほど遅れます」との電話。「ええーっ」。ベトナム航空様の協力もあって何とか間に合いました。
VN301にてホーチミンを経由し、VN920機にてプノンペンに着きました。やはりカンボジアは暑い。到着時間の17時頃でも36℃の気温でした。
同日3月9日は、参加者:田崎美里さんの誕生日! ご本人には内緒で夕食時にバースデー・ケーキのプレゼントをしました。
写真は上から
・ 成田空港を出発(一人は集合写真に間に合わず)
・参加者の田崎美里さんの誕生日をお祝い
第2日目:2016年3月10日 (木)
<行程>
・ 8:00 ホテル出発
・ 8:30 JHP PP事務所レクチャー。フォトグラファー・久保年弘氏と合流(以降、3/11夕食までご同行)
・10:30 Pidan Khmer (CYR幼い難民を助ける会・織物製品店舗)訪問
・11:00 クラタペッパー(JHP OB・胡椒店舗)訪問
・12:30 昼食(レストラン:Tonle Bassac)
・14:00 キリングフィールド見学
・15:30 トゥールスレン見学
・16:30 イオンモール散策 & Phnom Penh Marching Band演奏見学
・19:00 夕食(レストラン:Khmer Surin)
・21:00 ホテル戻(Pacific Hotel泊)
<報告事項>
第2日目はプノンペン市内を視察。
先ずはJHPプノンペン事務所を訪問。学校建設チーム、教育支援チームそれぞれの活動報告を受けました。それぞれの報告に参加者の皆さんから多数の質問がありました。やはりカレッジの現地研修ということで、皆さんは熱心にプノンペン事務所の活動の理解に努めておりました。
その後、Pidan Khmer (CYR幼い難民を助ける会・織物製品店舗)、クラタペッパー(JHP OB経営店舗。胡椒店)を訪問。2店とも、日本の方が現地の人たちの生活のためにと創立した店舗ということから、熱心に(?)お買い物。なお、クラタペッパー代表の倉田浩伸様からは、自身がJHP(の前身であるJIRAC)との出会いから、カンボジアで胡椒事業に関わるようになったきっかけ、現在に至るまでを約45分に渡りお話しいただきました。現地で活躍する日本人の体験談を聞けるというのは一般的な観光ではありえない貴重な体験だったと思います。
昼食を挟み、午後は「キリングフィールド」「トゥールスレン収容所跡地」を見学。カンボジアにおける暗黒の史跡を目の当たりにし、何故この国に支援が必要なのか再確認しました。カレッジでの講義や書物で予習してきたものの、やはりショックを受けた方が多いようでした。
ところで、当初の予定では同日夕刻、セントラル・マーケットを散策する予定だったのですが、イオンモールで「3.11東日本震災復興イベント」があり、JHPが育ててきた、(現在は独立して活動している)「Phnom Penh Marching Band」が演奏するとの情報を得たことから、急遽そちらの見学に変更。実際の演奏時間はごく僅かだったのですが、参加者の樋口心様が高校で吹奏楽部の顧問をされていることもあり、同Bandの演奏をご覧いただけたことは幸運でした。なお、イオンモールはカンボジアの復興の象徴ともいえる施設であり、行程には組み込んでいなかったものの、空き時間があったら立ち寄ろうと考えておりました。一方で、セントラル・マーケットでのお買い物を楽しみにされていた方は申し訳ありませんでした。でも、予定通りに進まないのがカンボジアのツアーかなって思っています。
写真は上から
・PP事務所でスタッフと対面、その後レクチャーを受ける。あれ、カナリンのTシャツが変。…「佐紀」って誰?
・クラタペッパー倉田浩伸様のレクチャー
・キリングフィールドでは亡くなられた方に献花をしました
・Phnom Penh Marching Bandの演奏(イオンモールにて)
第3日目:2016年3月11日 (金)
<行程>
・ 7:15 ホテル出発
・10:10 プレイベン州・コンポントラバイ郡、建設予定校(プロウン小学校)訪問
・10:45 プレイベン州・コンポントラバイ郡、JHP建設校(コークラウ小学校)訪問。同校にて昼食(プノンペン:Suzumeで積み込んだ弁当)
・15:15 CCH訪問(ソカ所長より施設紹介、アート・プロジェクト見学、子ども達と遊戯)
・17:30 ホテル戻り、休憩
・19:00 夕食(レストラン:点心世界)
・21:00 ホテル戻(Pacific Hotel泊)
<報告事項>
第3日目は、南ベトナム国境に近いプレイベン州・コンポントラバイ郡での学校建設候補校(プロウン小学校)と昨年のJHP建設校(コークラウ小学校)を訪問。プノンペン市内の国道1号線の道路工事により予定時間を遅れてしまいましたが、何とかたどり着けました。
プロウン小学校は、校舎の多くがシロアリの被害で使用できなくなっており、隣接する寺院の敷地内にある屋根のみのあずまやで授業を行っていました。コークラウ小学校は、昨年完成したばかりの学校で、生徒の皆さんの楽しく授業を受けている様子が印象的でした。また、両校とも、生徒の皆さんが下校時に笑顔で「バイバイ」と手を振る姿を見ているとこちらも思わず微笑んでしまいます。本当にカンボジアの人は笑顔が素敵ですね。なお、訪問した2校には日本から持参した鉛筆を生徒に配布しました。「しっかり勉強してくださいね!」
再び大渋滞をくぐり抜けてプノンペンに戻りCCH(児童養護施設:The Center For Children’s Happiness)へ。先ずは、所長のソカ氏から施設の紹介と子ども達からの歓迎のダンス。この最中も子ども達は参加者に寄り添い「一緒に遊ぼう」をせがんできました。その後、CCH2に徒歩で移動。ここではアート・プロジェクトの学習風景を見学しました。この日は、生徒の皆さんが「街中で耳にした音を声で表現してみよう」、「その声を先生の腕の動きに合わせて長く伸ばしたり、繰り返してみよう」という学習会を行っていました。カンボジアの人たちは芸術・美術分野において既存のものを模写する技術に長けているが、一方で新しいものを自己表現することが苦手であると聞いています。このアート・プロジェクトは、自身が思ったこと・感じたことを表現していこうという感性を引き出す活動であり、これからも応援していきたいと思いました。
同プロジェクト見学後はCCHスクールの校庭で、持参した紙風船やシャボン玉などで子ども達と大はしゃぎ! もっともっと遊びたいという方もいましたが、子ども達の体力にはかないません。続きは来年度以降の楽しみにしましょう。
ちなみにこの日の夕食にはプノンペン事務所のスタッフも招待しました。3月11日であったことから、先立って、東日本大震災で被害にあわれた方への追悼と、震災後から支援・協力をしてくださっているカンボジアの皆様への感謝の気持ちを込めて1分間の黙とうを行いました。その後は同じJHPファミリーとして、ローカルメンバー、日本人メンバーと和気あいあいと楽しいひと時を過ごしました。
写真は上から
・日本から持参した鉛筆を配布
・えっ、手品を見せてくれるの?(CCHにて)
・アート・プロジェクトを見学
・CCHの子ども達と大はしゃぎ!
第4日目:2016年3月12日 (土)
<行程>
・ 7:00 自由行動(セントラル・マーケット散策)
・ 8:30 ホテル・チェックアウト、出発
・10:00 Nature Saves Cambodia!訪問
・12:00 昼食(レストラン:Titanic Restaurant)
・14:00 王宮 & シルバー・バコダ見学
・15:30 夕食(ラーメン店:味千拉麺)
・17:00 プノンペン空港チェックイン。
(3泊5日コースの3人は、20:30 VN3850ホーチミン経由で00:40 VN300で成田へ)
(5泊7日コースの10人は、19:50 K6-117シェムリアップへ)
※以降は5泊7日コースの行程
・21:30 ホテル・チェックイン(Monica Angkor泊)
<報告事項>
第4日目の朝は昨日の7:00出発という慌ただしさと代わり、多少のんびりする時間があったので希望者でセントラル・マーケットを散策しました。土産物屋は未だ閉まっている店舗が多かったのですが、食料品の店舗は大賑わい。恐らく飲食店を経営している人達でしょう。多くの方が買い物に来ていました。
その後、プノンペン市街から北東のメコン川中洲にあるKoh Dach村(コーダエ村)にあるNature Saves Cambodia!を訪問。ここは地雷原だった土地(遠方です)を開いて綿畑を作り、そこで採れた綿を紡いだり色を染めたりして布製品を製造している施設です。プノンペン市街地から僅か1時間であるにも係らず、古きカンボジアといった風景で、そこに住み工房で働くおばあちゃん達の暖かい心に触れ、そしてなぜか懐かしさを感じることができました。
午後は、王宮・シルバー・バコダを見学。近隣諸国からの貢物である仏像や装飾品、貴金属に目を奪われました。また、建造物に目を向けると仏教とヒンズー教の文化が共存しているなどこの国の寛容な心にも触れることができました。
3泊5日コースの方と5泊7日コースの方とでは、この後プノンペン空港でお別れ。帰国後の再会を誓いました。
写真は上から
・コーダエ村に向かうフェリーにて。風が気持ちいい!
・Nature Saves Cambodia!にて。えっ、私が紡いだ部分は商品にならない?
・Nature Saves Cambodia!にて。見た目と違って結構難しい
・王宮にて
第5日目:2016年3月13日 (日)
<行程>
・ 8:30 シハヌーク博物館見学
・12:00 昼食(レストラン:Caco Restaurant)
・13:30 バンテアイ・スレイ見学
・15:00 アンコール・トム見学
・16:00 タ・プローム見学
・19:00 夕食(レストラン:AMAZON、アプサラショー)
・20:30 ホテル戻(Monica Angkor泊)
<報告事項>
前日に現地旅行手配会社から連絡が入り、イベントの準備のため同日午後シハヌーク博物館の入場が不可となったとのことから、急遽上記のスケジュールに変更した。なお、シハヌーク博物館では、石碑(レプリカ)の拓本にも挑戦。それぞれの作品(力作!)をお土産にしました。
というところで、シハヌーク博物館退館時に何とバスが故障。その場で1時間足止めになってしまいました。でもこれもカンボジア(?)と思ったのか、皆さん暑い中じっと我慢しました。
その後、レリーフの凹凸が見事な、そして東洋のモナリザがあることで有名な「バンテアイ・スレイ」を見学、シェムリアップ中心地に戻り「アンコール・トム(バイヨン)」や「タ・プローム」を訪れました。なお、シハヌーク博物館の見学を午前中にしたこととバスの故障が怪我の功名になったようで、トムやタ・プロームといった観光客が押し寄せる遺跡をスムーズに見学することができました。
写真は上から
・アンコール・トム(バイヨン)にて
・タ・プロームにて
・アプサラ・ショーのダンサーの方と
第6日目:2016年3月14日 (月) ~第7日目:2016年3月15日 (火)
<行程>
・ 5:00 ホテル出発~アンコール朝日鑑賞
・ 9:00 オールド・マーケット散策
・10:30 アンコール小児病院見学
・12:00 昼食(レストラン:ASIAN SQUARE)
・13:00 アンコール・クッキー、キャンディー・アンコール立ち寄り
・14:00 アンコール・ワット見学(上智大学西参道修復プロジェクト見学)
・16:10 休憩(ホテルでシャワー)
・17:10 ホテル・チェックアウト
・18:00 空港チェックイン。夕食(空港ラウンジ:ル・サロン)
・19:15 VN840機にてハノイへ
・00:30 VN310機にて成田へ
・ 7:00 成田着、解散
<報告事項>
この日は、参加者の多くが心待ちにしていたアンコール・ワットの見学!
先ずは朝5時にホテルを出発し、朝日鑑賞。この朝は雲一つなくモヤもない晴天。加えて春分の日に近いということから塔の間近から昇る朝日を拝むことができました。
一旦ホテルへ戻り朝食を採ってオールド・マーケットを散策。
その後アンコール小児病院を見学しました。ビジターセンターで紹介DVDを視聴した後、外来待合室、各病棟、キッチン、リハビリセンターなどの各施設を紹介いただきました。驚くべきは、患者である子ども達の数。未だまだ行き届いていないこの国の医療の現状を目の当たりにしました。そんな子ども達も、自分達が通ると明るくニコニコしながら手を振って応えてくれました。みんな早く元気になってくださいね。
午後は2つのショップを巡り、再びアンコール・ワットへ。
西参道で上智大学アジア人材養成研究センター・三輪悟様による遺跡修復プロジェクトのレクチャーを受けました。現時点は未だ、西参道修復作業フェーズ2は開始されていませんでしたが、他の観光客が素通りする参道の壁面部分などを案内いただき、構造や現在の状態、修復の必要性などを学習することができました。これもJHPカレッジの現地研修ならではの行程ですね。
そして、第一回廊で乳海撹拌などのレリーフや森本右近大夫の落書きなどを見学し、第二、第三回廊へ。37℃の炎天下ではありましたが最上階まで歩き回りました!
このアンコール・ワット見学をもって今回の現地研修の行程はすべて終了。シェムリアップ空港から殺風景なハノイ空港を経て成田空港へ。このメンバーで同窓会を行い、またJHPの他イベントで再会することを誓い解散しました。
おしまい。
写真は上から
・アンコール朝日鑑賞
・アンコール小児病院(ビジターセンター)にて
・上智大学・三輪悟様にレクチャー頂きました
・おおっ、この階段は結構ビビるぜ
・アンコール・ワットで記念撮影
(2016.03.22 更新)
******************************************************************
募集案内チラシ
【こちらをクリックしてください】 *ご参加を希望される方は、カレッジ現地研修担当:上田浩之宛てに連絡をお願いします。 折り返し、申込書をお送りいたします。 E-mail:college@jhp.or.jp TEL 03-6435-0812 FAX 03-6435-0813募集受付
2016年1月25日まで(先着順)現地研修内容
国内講義終了後、カンボジアでの国際協力活動の現地研修を行います。 長く続いた内戦によって、教育も文化も徹底的に破壊されたカンボジア。日本とは違う環境で生活する人々。 その生活や歴史に触れ、JHPの活動現場を訪れ、子どもたちと交流し、国際理解を深める“学習の場=本カレッジの集大成″として本ツアーを実施します。観光とは違うさまざまな角度からカンボジアを知る絶好の機会となっています。カンボジア現地研修募集要項について
日程
・2016年3月9日(水)~3月13日(日)3泊5日コース
・2016年3月9日(水)~3月15日(火)5泊7日コース
場所
カンボジア王国
・プノンペン及びプノンペン周辺(3泊5日コース)
・上記に加えシェムリアップ(5泊7日コース)
活動内容
1.JHPプロジェクト見学
JHPの現地プロジェクトである学校建設の現場や教員養成施設などを見学し、JHPが支援しているCCH(児童養護施設)で子どもたちとの交流を行います。
2.現地NGO見学
カンボジアで活躍するNGOの活動見学、在カンボジア日本大使館、JICAカンボジア事務所訪問など、各種団体との意見交換、交流活動を行います。
3.内戦の歴史を学習
ポル・ポト時代の悲惨な現場であった、トゥールスレン元政治犯収容所や殺戮の現場となったキリングフィールド(チュンエック)を訪れ、カンボジアで社会貢献活動を行うことの背景を再認識します。
4.アンコール遺跡群見学
アンコール遺跡群、ならびに遺跡群の修復現場を訪問し、カンボジアの歴史や実情について学びます。
参加資格
・JHP 会員、又は新規にご入会いただける方
・本カレッジで学習し、国際協力・国際理解についての知識を身につけた方
・団体行動のとれる方
・その他、当会が参加を認めた方
参加費用
・148,000円(3泊5日コース)
・178,000円(5泊7日コース)
※カンボジア現地研修費用には、渡航費用、現地移動・宿泊・食事費用、遺跡研修費用、現地コーディネート費用が含まれます。
成田空港までの往復交通費、予防注射費用、海外傷害保険費は含まれません。
*原則として納付された研修費は返還できません。
募集人数
15人(最少催行人数10人)
諸注意
カンボジアの治安の関係上、やむを得ず現地研修を中止する可能性があります。