国際理解部門

2015年度 国際理解部門 -国際政治・国際理解とカンボジア-

部門長 今川幸雄 国際ボランティア活動で最も大切なことは相手国とその国民に対する尊敬と愛情の念を抱くことである。そのためには現在の国際情勢、相手国の国情と国民性を知らなければならない。国際理解部門では、国際政治・国際経済の情勢、開発途上国の現状と問題点、JHPの主たる活動拠点であるカンボジアの現状、歴史、文化等について講義をする。さらに実践に役立たせるためのカンボジア語日常会話の手ほどきも行う。
国際理解部門長 今川 幸雄
講師(50音順・敬称略)/所属/
講義内容
講 義 日
青木 一能
日本大学文理学部教授
①11/11(水)18:30-20:00
②11/18(水)18:30-20:00
③12/ 2(水)18:30-20:00
④12/ 9(水)18:30-20:00
『遥かなる大地・アフリカ-』
貧困と未開発に苦しむアフリカについて、その歴史を概観し、過去の呪縛と闘いながら、新たな社会の創造に挑んできたアフリカの現在の姿を検討する。4回の講義で語りつくせることはないが、アフリカに接近する一助となるように心がけたい。
今川 幸雄
元駐カンボジア大使
関東学園大学名誉教授
①9/12(土)13:30-15:00
② 9/26(土)13:30-15:00
③10/18(日)10:30-12:00
④11/28(土)15:15-16:45
⑤2016年1/31(日)10:30-12:00
⑥ 2/13(土)15:15-16:45
⑦ 2/27(土)15:15-16:45
全7回講義
『① 地球化(グローバリゼーション)時代の世界』
Ⅰ.(1)冷戦の時代 (2)冷戦の終了 (3)グローバリゼーション時代の世界とアジア 
Ⅱ.アジアにおけるグローバリゼーションとカンボジア和平 (1)最初の成果 (2)ポスト・カンボジア
『② 外交』
(1)外交とは何か(2)古い外交と新しい外交 (3)追随外交と自主外交
『③ カンボジアにおける戦争と平和 (その1)』
サンクム時代。 ロンノル・クーデター。 虐殺政権;クメール・ルージュ。 ベトナムの「侵攻」とヘン・サムリン政権。 和平への最初の息吹。 カンボジア和平パリ国際会議(PICC)。
『④ カンボジアにおける戦争と平和 (その2)』
PICCの中断。 ベトナム軍撤退。 日本外交官のカンボジア訪問。 シハヌーク・フンセン東京会談。 シハヌーク・フンセン間和平実質合意。 カンボジア和平パリ協定署名。 UNTACによるPKO。 カンボジア和平成立。 PKO終了後のカンボジアにおける事態正常化への動き。
『⑤ 外交問題としての難民問題』
(1)難民とは? (2)インドシナ難民の流出 (3)ボート・ピープルは第2の黒船 (4)定住促進策 (5)難民救援とNGO
(注) 難民の地位に関する条約
『⑥ カンボジアおよびカンボジア人』
Ⅰ.JHPの主たる活動国たるカンボジア (1) 地勢 (2) 気候 Ⅱ.カンボジアの住民
エピソード 1.大湖周辺の森では樹木の上から魚が降る。2.平野に投げ出された天秤棒。3.プレア・ヴィヒア寺院をめぐる紛争はタイの征カン論。4.カンボジア人の職業分布。5.山岳民族の固有文化は保存されるべきか。
『⑦ カンボジアの歴史、文化および宗教』
Ⅰ.歴史 (1)6世紀から8世紀まで (2)アンコール王朝期 (3)アンコールの滅亡 (4)フランスの被保護国となるまで (5)独立運動 (独立後のカンボジアについては前述した)  Ⅱ.文化と宗教 (1)ヒンドゥ教(2)仏教(3)ヒンドゥ教と大乗仏教
エピソードⅠ.建国物語。 Ⅱ.甘い胡瓜つくりの王様。 Ⅲ.諸宗教の共存。
遠藤 宣雄
上智大学アジア文化研究所名誉所員
2016年 2/20(土)13:30-15:00、
15:15-16:45(2講座)
『遺跡エンジニアリング Ⅰ-考え方-、Ⅱ-事例研究-』
遺跡エンジニアリングとは「遺跡」を「エンジニアリングする」という意味である。遺跡は人間が創造した歴史的文化的な資源とみなすことができる。これをいかに社会発展や国家復興に活用するかがこの考え方である。(2連続講義)
小川 郷太郎
元駐カンボジア大使
9/26(土)13:30-15:00
『戦後70年、「歴史認識」を考える』
今年は戦後70周年。安倍総理が8月に談話を発表しました。過去の歴史の問題については、日本自身または日本人自身が冷静に考えるべきものですが、総理談話の内容について近隣国である中国、韓国だけでなくアメリカ等多くの国から様々な注文や要望が寄せられています。日本にとってあまり愉快なことではありませんが、この問題の国際的広がりとその背景を知るとともに、発表された総理談話の内容および外国の反応について考える機会を持ちたいと思います。
篠原 勝弘
前駐カンボジア大使、
公益財団法人シーセフ副理事長
10/17(土)15:15-16:45
『民間援助・カンボジア教育支援について』
外務省勤務42年間を振り返り、民間援助、カンボジアに対する教育支援の重要性について講義する。
住友 正人
アジア福祉教育財団難民事業本部
2016年 1/16(土)13:30-15:00
『カンボジアと日本での体験』
カンボジア概要、インドシナ戦争、難民発生、難民の問題、カンボジア復興と課題、多文化共生社会、カンボジア文化理解、現地での注意事項などについて講義する。
田島 高志
元駐ミャンマー・カナダ・ブルガリア大使
11/14(土)13:30-15:00
『ミャンマーの民主化と日緬関係』
ミャンマーは、1948年独立後、民主政権、独裁政権、軍事政権と変遷し、2011年民政移管を実現し、政治、経済、社会各面の民主化改革を進めている。外交は中立政策であり、欧米は経済制裁を廃止または緩和した。国民は真面目、勤勉で資源豊富なため、世界各国からの経済進出が進んでいる。独立以来の親日国であることから、日本はミャンマーの民主化及び経済再建のために官民挙げて協力している。本講義ではミャンマーの民主化への変遷と日本との関係についてお伝えしたい。
中川 武
博物館明治村館長
元早稲田大学理工学術院教授、アンコール遺跡救済チーム団長
2016年 2/13(土)
13:30-15:00
『アンコール遺跡の保存修復と日本の国際協力の役割』
1992年からの日本国政府アンコール遺跡救済チーム(JSA)による予備調査から始まって、1994年11月からの保存修復事業が2011年9月までの3期16年間の成果を基に、現在、カンボジア人の保存修復の専門家および現場技術者の自立を目的とした第4期事業を進めている。これまでのプロセスを振り返り、カンボジア人チームの自立の意味について考える。
丸井 雅子
上智大学外国語学部アジア文化研究所
准教授
2016年 1/30(土)15:15-16:45
『アンコール遺跡の考古学』
アンコール遺跡の考古学調査の成果を通じて、遺跡がたどった古代から今に至るまでの歴史を一緒に学びましょう。モノが語る、豊かな歴史の世界を紹介します。
山崎 裕人
元警察庁警察大学校校長
(PKO文民警察隊長)
元警察庁長官官房付警視監
10/17(土)
13:30-15:00
『警察分野の国際協力と海外における安全対策』
カンボジアPKOの経験。インドネシアにおける警察改革のお手伝いの経験。最近の国際社会、学界におけるポスト・コンフリクト地域における治安確保の方法をめぐる議論の紹介。社会人生活3分の1を占める海外経験から得た「海外で身を守るための秘訣」。
山田 寛
帝京大学非常勤講師
法務省難民審査参与員
元嘉悦大学教授
元読売新聞特派員
11/ 7(土)13:30-15:00
『ポル・ポト革命の歴史』
1970年代、内戦の末に政権の座についたポル・ポト派(クメール・ルージュ)は国民の5分の1を死に追いやる虐殺の暗黒革命だった。その後遺症は今日でもカンボジア社会に厳しく残っている。その暗黒を裁く裁判が、政権崩壊30年後の2009年に始まった。この講座を通し、ポル・ポト革命について基礎的な知識を身につけてもらう。
山田 裕史
カンボジア市民フォーラム事務局長
東京大学大学院特別研究員
12/12(土)13:30-15:00、
15:15-16:45(2講座)
『① カンボジアにおけるNGO活動とNGO法制』
[1コマ目] カンボジアは日本のNGOがもっとも多く集中する国のひとつです。150以上もの団体が何らかの形で対カンボジア支援に携わっています。 日本のNGOはどのような支援を開始したのでしょうか?また、日本のNGO活動の特徴や課題を有しているのでしょうか?本講義では、これらの問いについて考えながら、同国における日本のNGO活動の全体像を提示します。
『② 転換期を迎えたカンボジアの政治・社会情勢』
[2コマ目] 2013年総選挙における野党「救国党」の大躍進は、国内外に大きな驚きを与えました。35年による人民党支配は、いま大きな転換点を迎えつつあります。本講義では、選挙監視活動やその後の現地調査での見聞などをもとに、2013年総選挙の結果の分析やその後の政治・社会情勢についてお話しします。
山中 ひとみ
カンボジア古典舞踊家
2016年 2/17(水)
18:30-20:00
『カンボジア舞踊の魅力』
カンボジアの古典舞踊は、クメール民族独自の壮大な宇宙観を表現している。舞踊の歴史、その背景の説明をききながら、踊りを実際に観賞・体験して頂く。カンボジアにはアンコール遺跡だけではなく、生きた文化遺産がある事を知っていただきながら、私達アジア人のメンタリティーとして共通するものがないか、探っていく。