熊本地震・災害支援レポート(1)(更新)
2016年4月26日に現地入りした支援活動隊(現状調査隊)からの活動報告をお知らせします。
※道路の渋滞等で移動に苦労しながらも、初動体制としての任務を無事果たすことができました。特に、JHP三島が中心となって集めた物資は、実際に現地ボランティアセンターの方とお話しすることで、ニーズに合わせたお渡しができたと考えます。
※地域によって環境の違いがあり、物資が十分行き渡っている避難所とそうでないところがあるようです。しかし、日々状況が変化しているため慎重な行動が必要であると思われます。(以下の報告でもいくつかのニーズが挙げられていますが、翌日には十分行き渡っているという可能性があります)
2016年4月26日(火)
1.参加者
・富永純平(MOA)
・下野勝也(JHP会員)
・立花義之(JHP会員)
・山岡修一(JHP理事・JHP三島)
・佐伯蘭子(JHP理事・JHP熊本)
・赤嶺繭子(JHP会員)
2.経過概要
・5:30: 山岡修一、立花義之 新門司港着
・6:40: 小倉で赤嶺繭子合流
・8:00: 久留米IC 本日の食料調達
※この辺りから緊急車両が増え、植木ICが近づくにつれ地震のため80km規制
が敷かれる。
・9:30: 植木IC料金所を降りて、佐伯蘭子、下野勝也、富永純平と合流
※植木IC手前2kmから渋滞
・10:30: 熊本市入り
※依然渋滞が続く。また、この辺りからブルーシートをかけた屋根が増えてくる。
・11:00: 上益城郡益城町入り
※一気に倒壊した家屋が出てくる。
また、壊れた家財などが大量にゴミ置場に山積みされている。
・11:45: 益城町総合運動公園内の体育館に到着
※建物内 1,200名 駐車場及びテント村 300名 計:1,500名が避難
当避難所のボランティアセンター(以下ボラセンと記す):熊本YMCAさん
(2015年4月~委託を受けて体育館の運営をしており被災したため、
そのまま同運動公園のボラセンを務めることになったとのこと)
※TwitterなどSNSで食料や水がないと被災者が発信したため大量に食料水が
運び込まれたとのこと。
※よって、同避難所にはJHP三島(山岡)が地元有志から提供された物資、
現地から要望のあった物資のうち、下着やオムツ類をお渡しすることとした。
また逆に、小さな避難所で足りていない歯ブラシと歯磨き粉を分けて
いただきました。
・12:30: 益城町立広安小学校に到着
※同校では持参した物資のうちカレーレトルトや水などの物資をお渡しした。
(こちらへ置ける限りの数量をお渡ししました)
※車中泊 約300名ほどが避難
当避難所のボラセン:4/26より福岡県の皆様が担当
(福岡県の各自治体から集まっている)
※こちらの小学校では体育館はあるが物資のみを置いており、避難者は
体育館内にいない。避難者はグラウンドに駐車し、車中泊している。
車中泊の避難者が必要なものを体育館へ取りに来るという形式をとっており、
当日は「吉野家」さんの移動販売車が来ていたり、
自衛隊の災害派遣の皆さんが白米は炊いてくれるとのこと。
<同避難所の様子>
1. 食料は白米があるため困ってはいないが、おかずがなく米だけを食べて
いる状況。おかずがほしいとのこと。
2. 支援物資としては、食料より生活雑貨を求める被災者がこの時期から
増えてきている。
マジック/シャンプー・リンス/洗剤などの生活雑貨がほしいとのこと。
3. 4/27~雨が続くこともあり、ブルーシートが足りていない、とのこと。
・14:00: グランメッセ熊本に到着。避難所視察
※こちらの避難所は物資が十分に行き渡っているとのこと。
飲料水も各地から送られてきており大量に保管されている状況。
・14:30: 熊本県民総合運動公園に到着。避難所視察
※上記グランメッセ熊本と同様な状況。
・15:00: 再び益城町総合運動公園に戻り、同運動公園のテント村を視察
※つい先日アルピニストの野口健さんよりテントが寄付され、隣接する
サッカー場にテント村が出来ていた。
※その隣には、震災ゴミの集積所があり、大量のごみ山ができており、
かなりの悪臭が漂っていた。
※報道でノロウィルス感染などあったためか、避難所外にあるトイレの
注意書きや消毒液は常に完備されている。
<同避難所の様子・所感>
1. ボラセン担当者はメンバーを割り振って作業しているが未だ混乱中。
東北各地から震災ボラセン経験者が集まっているためアドバイスは
いただくが、指示が多すぎるためか、実践に結びつけることに困難。
憔悴しきっている様子。
GWにはボラセンがうまく働くことを祈っています。
2. 熊本市内の小中学校が再開される目途が立たず、
避難所で小中学生がすることがない。
学校へ行けない小中学生への支援が何かないか(ボラセン担当者談)
3. テント村に隣接する震災ゴミ集積所からの悪臭が酷い。
この件は私が感じた事ですが、いずれ問題になるのでは?
4. 今日4/27~雨が続くこともあり、ブルーシートの不足が懸念。
5. 避難者は支援物資に頼り切りとなっており、
食料や水が足りなくはないが一日の消費量は多い。
・16:00: JHP熊本(佐伯)の次女が勤務するケアホームに到着。
※同ホームでもJHP持参の物資をお渡し。
・17:00: 宿泊先に到着
◆全体を通して
・熊本市街地と益城町などの被害を受けた地域では、インフラを含め生活の温度差を
感じる。益城町から15分ほど車を走らせれば、普通の生活がある。
・物資が十分な避難所がある一方で、益城町の小さな配布所では水などを必要と
する方が大勢いるためすぐに不足となってしまう。
どのように配給しているか不明ですが、物資の集積所にはものが溢れかえっている
にも関わらず、小さな避難所まで行き渡っていない印象があります。
・震災ゴミの分別についてラジオで頻繁に呼びかけが行われていた。
通常の粗大ごみをこの機会に便乗して出しているため、熊本市内全体で道路沿いに
ゴミが多く積まれている状況。
写真はJHPメンバー
(報告者:赤嶺繭子)
◎当初4/29までの予定としていた今回の現地調査ですが、各ボランティアセンターにお集まりのボランティアの皆様、そして支援物資の状況を理解できたことから、スケジュールを繰り上げることと致しました。但し、継続的にJHP熊本とコンタクトを取りあい、状況把握に努めていきます。