音楽教育

JHPでは、カンボジアのすべての学校で子どもたちに音楽授業が行われることを目的に1994年から音楽教育支援事業を推進しています。

カンボジアにおける音楽教育の現状

カンボジアは、ポル・ポト政権時代の混乱や長い内戦によって教育制度が徹底的に破壊されました。近年では皆様のご協力もあり改善が進んだものの、カンボジアの小学校の多くは未だに教室不足のため1日を2部に分け、生徒を入れ替えて授業が行われています。また、国語、算数など主要科目に重きがおかれています。

実際に、これまでカンボジアの音楽教育は、教育課程の中で独立した科目でなく、
小学校では「社会科」の一部として位置付けられ、指導に十分な時間数がありませんでした。また、音楽授業を行うにも、音符の読める教師がおらず、楽器などの教材が不足しているため実施出来ないケースもあります。指導されている数少ない学校においても、指導内容は歌詞の書き写しや伝統楽器の名称を覚えることなどに限られています。子どもたちが芸術にふれる機会は多くありません。これでは子どもたちが音楽に親しみ、「自己表現」活動を通じて、協調する力や表現力、豊かな感性と心などの情操を育む機会は極めて少ないと言わざるを得ません。

JHPは1994年の調査活動以来、プノンペン市の教育局長に日本人教師の派遣要請を受けたことをきっかけに、教育の中身(ソフト)の面でカンボジアの子どもたちにできる支援として、情操教育の普及を目的とした教師の派遣、楽器寄贈を開始しました。

そして、長年JHPが取り組んできた活動の成果が認められ、2016年に始まったカンボジアのカリキュラム改訂により、近い将来、小学校・中学校において、芸術の授業が各学年週1時間設けられることになりました。

JHPではカンボジアの子どもたちが、全ての学校で十分な音楽教育が受けられるようになることを目標とし、以下の活動を行っています。

音楽教師・音楽指導員の育成

JHPでは音楽の授業を行える教員を養成するため、1996年から各種研修会(ワークショップ)を定期的に行っています。

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楽器を集める運動

現地で不足する教材(鍵盤ハーモニカ、ソプラノリコーダーなどの楽器)を、1995年から年1回のペースで海上輸送しています。

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音楽教育プロジェクトの実績

JHPの音楽教育支援プロジェクトの実績をご覧いただけます。

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その他

2015年5月より、自己表現活動を通した、青少年の健全な育成を目指した事業としてCCHアートプロジェクト(CAP)を立ち上げています。

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