台風18号による集中豪雨に対する活動レポート

台風18号による集中豪雨に対する活動レポート
活動日
2015年9月17日(木)

報告者
中込祥高

活動場所
石下総合体育館の避難所(茨城県常総市)

スケジュール
08:40 石下総合体育館到着(写真)
09:00 ボランティアセンター登録
09:10 ボランティア全体ミーティング(約30名)
12:00 昼食
15:00 他の避難所への運搬作業
16:00 活動終了

※ボランティアの集合時間や解散の時間は指定されていない。基本的にボランティア側の都合に合わせて終了して良いとのこと。

活動レポート
雨の影響により、9月17日は各地のボランティアセンターの受け入れが中止となる中、茨城県災害ボランティアセンターは受け入れていることが分かり、初回の活動と状況調査のため訪問しました。

朝6時過ぎに埼玉県朝霞市の自宅を出発。外環から常磐道に入り、谷和原ICまではスムーズに進むものの、国道294号が渋滞。迂回路を選びながら8時40分に石下総合体育館に到着。水害後、チームレスキューという団体が運営を任されており、日々集まるボランティアに仕事を分担しながら、活動が行われていました。

この体育館は、フロアの外周をとりまく形で被災に遭われた方の生活スペースがあり、中央には細かく整理、陳列された支援物資の提供スペースがありました。避難所で生活する人々以外にも、物資を求め被災者が訪れていました。

到着後、私もボランティア登録を行い、朝のミーティングから活動に参加しました。17日は雨のため、避難所運営のボランティア活動のみ実施されました。

私が気付く限りですが、体育館内の避難所では、ボランティアが主に以下の活動を行っていました。

  • 支援物資の搬出入、仕分け、整理、陳列
    (注)衣類については概ね間に合っている状況とのことでした。
  • 支援物資を希望する方々への提供
  • 清掃(トイレ、シャワールーム、床、ごみ片付けなど)
  • 洗濯ボランティア
  • 支援物資の運搬(足りない物資について、避難所間の運搬)
  • 避難された方々への声掛け(困ったことやニーズの確認)
  • 外部団体や企業による活動(足湯、メガネ支援、炊き出し…)

私は、男性用の衣類コーナーで、陳列作業を行いながら、被災者の方々のお話しを聞くことができました。エアコンの室外機の上で5時間待ってようやくヘリコプターで救出されたという高齢の男性、同じくヘリで救出された別の男性は、救出時に大切なものを入れたリュックをあきらめざるを得ず、リュックも家もすべて流されてしまったと話していました。何よりも命が大切だとは言え、財産も含めて生活の手段を全て奪われてしまった方々に、返す言葉も見つからない状況でした。

ボランティアの中には、まだ学校の清掃が終わらずに休校中という中学生や高校生、神奈川から地元に戻って活動している大学生などのヤングパワー、近隣の住んでいる社会人やシニアの方などもおり、支援に携わる方々の話も聞くことができました。

ある大学生は、来週から大学がはじまるけれど、活動半ばで戻るのは気がかりで、何とか教授に了解をもらい、もう少し残ることを検討していると話してました。

お昼の時間、日本赤十字社による豚汁の炊き出しが行われ、ボランティアの私たちもご馳走になりました。雨の降る肌寒い天候だったので、誰もがホッと一息、心も温まる豚汁に感謝していました。東日本大震災後にJHPも豚汁やほうとうの炊き出しを行ったことを何となく思い出しながら、私もおいしくいただきました。

午後3時頃、「車を出せる人がいたら、別の避難所に物資を届けて欲しい」という指示があったので、私が担当しました。地理に不慣れだったので、地元のボランティアの男性に同乗してもらいました。その方も鬼怒川沿いに住んでいるとの事でしたが、不幸中の幸いで被災は免れたそうです。しかし、今回は偶然被災を免れただけで、自分の住んでいる地域の堤防が決壊してもおかしくなく、身代りに被害に遭われた方々のために、ボランティアとして活動していきたいと話していました。様々な形で思いを寄せる人々が集まっていることが分かったことも、今回の活動で得られた情報の一つです。

被災を受けられた方々は、水道も復旧しない中で、不自由な生活が続きます。また、住まいを失ってしまった方々は、仮設住宅が立ち上がるまでは避難所での生活を余儀なくされます。今回は、雨のため屋外での片付け作業などはできませんでしたが、今後も人手が必要な作業のニーズは続くと考えられるので、継続して検討していきたいと考えています。

JHP事務局 中込